Netflix『ラヴ上等』シーズン2を見ていて、「いや、そこまでまりりん悪いか?」と引っかかった人は少なくないと思います。
男性メンバーからは、複数の男性に好意的な言葉をかけて「気を持たせている」という趣旨の声が出ました。
でも、一つひとつの会話を思い返すと、そこまで露骨なアピールだったかというと微妙なんですよね。
特に気になるのが、まーくんの「元彼に似てる」をめぐる受け取り方。
あれを脈ありサインと考えるのは、さすがに勘違いでは……と思う一方で、恋愛リアリティの中なら期待する気持ちも分からなくはありません。
この「どっちの言い分も少し分かる感じ」が、今回の騒動を面白くしています。
しかも男性陣が答え合わせを始めたことで、話はどんどん大きくなる。
見ている側としては「そこまで行く!?」となる展開でした。
まりりんは本当に気を持たせていたのか。
それとも、男性陣が恋愛の意味を乗せすぎたのか。
番組内の発言を振り返ると、あの男女対立が起きた理由が見えてきます。
まりりんは男性陣に何を言った?
まりりんが「気を持たせている」と言われた背景には、複数の男性との会話が、男性陣の間で一つにつながったことがあります。
まーくんに対しては、「気になる人は?」と聞かれた流れで「元彼に似てる」と伝えました。
ただ、ここはかなり引っかかるところ。
文脈を見る限り、まりりんが「元彼に似てる!だから好き!」とアピールした場面ではありません。
聞かれたから答えた、という見方もできます。
しかも、まりりんが番組内で明かした元彼との過去を考えると、「元彼に似ている」が必ずしも褒め言葉とは限りません。
ここを「俺のこと気になってるんだ」と受け取ったのなら、
いやいや、そこまでプラスに取る!?
……とは、ちょっと思ってしまいます。
一方、まりりんはアリーには性格への好感を伝え、「来てくれるなら」と受け取れる発言もしていました。
たいちゃんには最初に目についた相手だったことを伝え、手紙も渡しています。
レオに対しても、怖い顔の男性が好きという好みの話や、サウナをめぐるやり取りがありました。
【ラブ上等2のまりりん事件】
まりりんが色んな男を「男前」「カッコいいと」褒める
↓
男性陣が部屋で、まりりん色んな人に言ってるよなってネタにする
↓
女性陣、男性陣がネタにしていたことにキレる
↓
男性陣を呼び出して、ネタにするのはダサいと詰問する
↓… pic.twitter.com/cSoTqT12aS— クロニクル・ラボ (@gekibnews) August 11, 2026
こうして全部並べると、今度は男性陣の言いたいことも少し見えてくるんですよね。
「え、俺だけじゃなかったの?」
となるのは、まあ分かる。
ただ、一つずつ見れば、性格を褒めたり、好印象を伝えたりする程度のものも含まれています。
そもそも恋愛リアリティです。
最初から一人だけに決めて、ほかの異性とは当たり障りなく接しましょう……では番組になりません。
複数の相手と話しながら自分の気持ちを探ること自体は、ごく自然でしょう。
だから今回面白いのは、決定的な一言があったわけではないこと。
一対一で見れば、普通の好意的な会話。
ところが男性陣が情報を持ち寄ると、
「俺にも言ってた」
「え、そっちにも?」
となってしまった。
男性陣の答え合わせによって、点だった会話が一本の線になった。
これが一気に「まりりんって、いろんな男に気を持たせてない?」という話へ変わったように見えます。
まーくんはなぜ脈ありだと思った?
個人的に一番「ん?」となったのは、やっぱりまーくんです。
「元彼に似てる」だけで、そんなに期待するものなのか。
しかも実際には、「気になる人は?」と聞かれた流れで出た言葉でした。
まりりん側からすれば、聞かれたから事実を話しただけとも取れます。
さらに元彼との過去まで考えると、「元彼に似ている=好きなタイプ」と単純に結びつけるのは、さすがに少し早い。
この一言だけを脈ありサインと判断するのは、かなり飛躍があるように感じます。
ただ、ここで終わらないのが『ラヴ上等』の面白いところなんですよね。
まーくん側の立場になってみると、「まあ、期待しちゃうか……」とも思えてきます。
普通の飲み会ではありません。
全員が恋愛するために集まって、限られたメンバーと濃い時間を過ごしている場所です。
気になっている女性から自分と元彼を結びつけるような話をされたら、多少なりとも意味を探してしまうでしょう。
「わざわざ俺にその話をするってことは……?」
恋していると、この「ってことは」が始まるんですよね。
番組内でも、かずくんは恋愛しているのだから相手の一語一句に反応するのは当然、という趣旨の指摘をしています。
これはかなり納得できました。
普段なら流す一言を拾ってしまう。
そこに勝手に意味を足してしまう。
恋愛中なら、珍しい話でもありません。
まりりん事件の戦犯はマー君だよね。
まりりんは気になる人を質問されたけど濁し、「顔は?」って聞かれたから「元彼に似てる」というただの事実を伝えただけなのに…前段の話と混ざって勝手にアプローチされたと勘違いしてるの童貞すぎるだろ…それで傷ついたって何?童貞の心が?#ラヴ上等2— やまとなでし子@ラヴ上等2考察連載 (@yamatonadeshi5) August 11, 2026
だから、まーくんを「勝手に勘違いした男」で全部片づけてしまうのも違う気がします。
まりりんは脈ありサインとして言ったわけではなさそう。でも、まーくんが脈ありかもと思った気持ちも分からなくはない。
この絶妙なズレ。
見ている側が「あっちが悪い」「いや、こっちでしょ」と分かれたのも、この部分だったのではないでしょうか。
まりりんは本当に気を持たせたのか?
では結局、まりりんは男性陣に気を持たせたのでしょうか。
番組で見える範囲では、意図的に複数の男性をその気にさせていた、とまでは言い切れないと思います。
ただ、結果的に男性側が「俺に気があるのかも」と期待するコミュニケーションになっていた部分はありそうです。
ここは似ているようで、かなり違います。
「気を持たせようとした」のか。
「気を持たせる結果になった」のか。
前者なら本人の意図の話ですが、後者なら受け取った側とのズレです。
今回見えているのは、後者に近いのではないでしょうか。
まりりん思わせぶりなとこあった?
坊→何も言ってない。
かずくん→何も言ってない。
アリー→向こうからアピールしてきたから、顔はかっこいいし来てくれるなら恋愛としてみれるって言った。
まーくん→気になるとは言ってない。むしろDV元カレに似てるから無しって意味では?#ラブ上等2
— まめ (@yi___819) August 11, 2026
まりりんは、その場で感じた好感や印象を比較的素直に言葉にする。
男性側は、それを恋愛のサインとして受け取る。
ここまではまだいいんです。
問題はその後。
男性陣で答え合わせをしたら、
「俺だけに言ってたわけじゃないんだ」
となってしまった。
好意だと思っていたものが、急に「誰にでも言ってるの?」に変わる。
そりゃ、ちょっと面白くないですよね。
この感情はかなり人間臭いと思います。
まりりんについては、過去のつらい経験も番組内で明かされています。
SNSでは、そうした経験から相手の機嫌を損ねないように振る舞ったり、男性を持ち上げたりするコミュニケーションが身についているのでは、という見方もありました。
ただし、そこは視聴者による解釈です。
過去の経験だけを理由に「まりりんはこういう性格」と決めることはできません。
それより今回の場面で感じたのは、まりりんの距離感と、男性陣が期待する距離感が微妙にズレていたこと。
まりりんには普通の好意表現。
男性陣には脈ありサイン。
同じ言葉なのに、受け取る側で意味が変わってしまう。
恋愛って、面倒くさい。
でも、そこが面白かったりもするんですよね。
なぜまりりんだけが責められた?
そして今回、いちばんモヤッとしたのはここかもしれません。
「いや、まりりんだけ言われすぎじゃない?」
という部分です。
恋愛リアリティなら、途中で気持ちが変わることは普通にあります。
最初に気になった人と話してみたけれど、別の人に惹かれた。
複数の異性と話して、自分に合う相手を探した。
それ自体をダメと言ってしまったら、恋愛リアリティの参加者はかなり動きにくくなります。
今回SNSでは、アリーのボディタッチや途中での態度の変化、ほかの女性メンバーの距離感などと比べて、「なぜまりりんだけ?」という声も出ました。
ここはたしかに気になります。
もちろん、まりりんの言い方が誤解を招いた部分まで全部なかったことにする必要はありません。
男性側からすれば、自分だけに向けられた好意だと思っていたものが、実はほかの男性にも向けられていた。
それを知ったら、「え、どういうこと?」となるでしょう。
でも、そこから「魔性の女」というイメージまで出来上がっていくと、話が一段変わります。
男子部屋でそれぞれの体験が共有される。
バラバラだった会話が一つにつながる。
そして「まりりんはいろんな男に気を持たせている」というストーリーが出来上がっていく。
一度そう見え始めると、過去の普通の会話まで怪しく見えてしまうんですよね。
「あれもそうだったのか」
「じゃあ、あの発言も?」
こうなると、もう答え合わせというより伏線回収です。
女子側が反発したのも、まりりんが100%何も悪くなかったからというより、本人がいないところで話がつながり、いつの間にか「魔性の女」という人物像まで出来上がったことへの違和感が大きかったのではないでしょうか。
とはいえ、男性側の気持ちもゼロにはできません。
恋愛するために来ている場所なら、好意的な言葉に期待するのは自然です。
しかも終盤になれば、一言の重みは序盤とは違ってきます。
だから、この騒動はどちらか一方を悪者にすると急につまらなくなる気がします。
まりりん側から見れば、「そこまでの意味で言ってない」。
男性側から見れば、「いや、この状況なら期待するでしょ」。
同じ言葉なのに、乗せていた恋愛の意味が違った。
結局、そこだったのではないでしょうか。
「元彼に似てる」でそこまで期待する?とは思う。
でも、好きになりかけている相手から言われたら、「ひょっとして」と思ってしまう気持ちも分かる。
そして男同士で答え合わせを始めたら、まさかの全員ちょっとずつ材料を持っている。
そりゃ『ラヴ上等』、荒れますよね。
個人的には、誰が正しいか以上に、恋愛中の「自分にだけ言ってくれたと思ってた」が崩れた瞬間の生々しさが、この一連の騒動のおもしろさだったように思います。