
いま、日本で話題になっているのが「選択的夫婦別姓」です。
これは、結婚してもそれぞれの姓(名字)をそのまま使える制度のこと。
最近になって、「中国がこれに喜んでいる!」という声が広まりつつあります。
でも……なぜ中国が? ちょっと不思議ですよね。
さらに、日本でこの制度に反対する人たちが「帰化の問題」を持ち出す場面も増えてきました。
この記事では、中国との関係や日本社会の事情、そして帰化とのつながりについて、わかりやすくひも解いていきます。
中国が喜ぶと言われる理由とは?
中国では、結婚しても別々の姓を使うのが当たりまえとされています。
これは1950年に制定された「婚姻法」によって制度化されました。
社会の中で男女平等を根づかせるための取りくみだったんですね。
中国では、夫婦で同じ姓を名のるのは「古い考え」と見なされることが多いのです。
むしろ、おたがいを尊重し合うことが大切だという考え方が広がっています。
だから、日本で選択的夫婦別姓が話題になると、
「日本も、いよいよ時代に追いついたのか?」
と、中国のSNSやメディアでも好意的にとらえられているんですね。
それだけじゃありません。
中国では、女性の社会進出が進んでいます。
会社でバリバリ活やくする女性も多いですし、政治の場でもたくさんの女性がリーダーとして活躍中です!
そんな中、「夫婦別姓」は女性のキャリアや名前を守るための、大切な仕組みとも言えるんですよ。
選択的夫婦別姓に反対する声の背景
日本では、民法750条というルールにより、「結婚したら夫婦は同じ姓を名のる」と決まっています。
とはいえ、現実にはほとんどの女性が男性側の姓に変えるケースが多いんですよね。
これに対して、「制度を見直すべきでは?」という声も、近年ふえています。
でもその一方で、
- 「家族の一体感がうすれるんじゃないの?」
- 「子どもの姓はどう決めるの?」
といった不安や反対意見も根強いままです。
政治の世界では、保守派の人たちを中心に、
「日本の伝統や文化がこわれる……」
といった懸念の声も上がっています。
たしかに、姓が同じことで“家族らしさ”を感じる人もいるでしょう。
でも、共働きの家庭や多様な家族の形がふえてきた今、
「そろそろ制度も変えていいのでは?」という意見が現実味を帯びてきたのかもしれません。
「帰化」との関係に注目が集まるワケ
そしてもう一つ、見のがせないのが「帰化(きか)」との関係です。
帰化とは、外国人が日本の国籍を取得すること。
日本の制度では、帰化すると日本人配偶者の戸籍に入ることが求められます。
そのため、結婚当初は別姓だった夫婦でも、
帰化したとたんに姓をあわせなければならなくなるんです。
……と思いますよね。
たとえば、中国人と日本人が国際結婚した場合、
籍を入れずにそれぞれの国の姓を使うことができます。
でも、もし中国人配偶者が日本に帰化したら?
日本の戸籍制度にしたがって、日本人の姓に変更せざるを得なくなってしまいます。
これは、中国で当たり前になっている「夫婦別姓」の考え方からすれば、大きなギャップです。
そのため、中国出身の人たちからは、
- 「どうして姓まで変えなきゃいけないの?」
- 「帰化したくても、このルールでは不便すぎる!」
といった声があがっています。
つまり、日本で選択的夫婦別姓が導入されれば、
「中国人にとっても帰化しやすくなる!」
という流れがうまれるんですね。
その結果、中国の人たちはこの制度によろこびの声をあげているわけです。
ですが一方では、
「日本に帰化するなら、日本のルールにしたがうべき!」
という考え方も、まだまだ根強くのこっています。
価値観と文化、両方の折り合いをどうつけていくのか。
それが今後の大きな課題になるでしょう。
日本と海外の夫婦別姓制度の違い
さて、ここで日本と他の国々の制度をくらべてみましょう。
実は、日本のように「夫婦同姓が法律で決まっている国」は、かなり少数派なんです。
国・地域 | 制度 | 特ちょう |
---|---|---|
日本 | 夫婦同姓が義務 | 法律で決まっている |
中国 | 夫婦別姓が原則 | 1950年に法制化された |
韓国 | 夫婦別姓が原則 | 昔から変わらない伝統 |
アメリカ | 自由に選べる | 州によってルールがちがう |
イギリス | 自由に選べる | 合体姓も選べる |
フランス | 別姓が基本 | 通称で夫姓もOK |
カナダ(ケベック州) | 夫婦別姓が法律で義務 | 変えることは禁止されている |
こうして見ると、日本だけが「姓の統一」を強く求めているのがわかりますよね。
世界がどんどんグローバル化していく中で、
「日本の制度も、そろそろ見直すときなのでは?」
という声が出てくるのは自然なことかもしれません。
まとめ
「選択的夫婦別姓」は、ただの名前の問題ではありません。
そこには、個人の自由・家族のかたち・伝統文化・国際社会との整合性といった、さまざまな要素がふくまれています。
中国がこの制度を歓迎しているのは、自分たちの文化や価値観と共通する部分があるからなんですね。
そして「帰化」の問題を通じて、日本の制度が中国出身者の生活に直接影響していることも事実です。
もちろん、反対の声にも耳をかたむける必要があります。
これからの日本にとって大切なのは、
一人ひとりの想いを尊重しながら、時代に合った制度を築いていくことなのではないでしょうか?
スポンサーリンク