Vaundyの初となるアジアアリーナツアーで、ファイナルを飾るはずだった上海公演が中止になりました。
公式が発表した理由は、「予期せぬ事情」。
ただ、これだけでは「結局、何があったの?」と思ってしまいますよね。
しかも気になるのは、Vaundyだけではありません。
2025年11月以降、中国では日本人アーティストの公演中止が相次いでおり、日中関係の悪化が影響しているとの見方も報じられています。
そうなると、もう一つ疑問が出てきます。
これだけ中止が続いていたのに、なぜVaundyは上海公演を予定していたのでしょうか。
今回のニュースは、一つの公演が中止になったという話だけでは見えてこない部分があります。
Vaundy上海公演はなぜ中止になった?
Vaundyの公式サイトは2026年8月26日、「Vaundy ASIA ARENA TOUR 2026 “HORO”」上海公演の中止を発表しました。
Vaundy
ASIA ARENA TOUR 2026 “HORO”
上海公演中止のお知らせNotice of Cancellation – Vaundy ASIA ARENA TOUR 2026 “HORO” Shanghai Showshttps://t.co/xLrQURpx0w pic.twitter.com/MGOa6qaoZl
— Vaundy_ART Work Studio (@Vaundy_AWS) August 26, 2026
予定されていたのは、11月14日と15日の2公演です。
上海はツアー最後の都市となる予定でしたが、公式発表では「予期せぬ事情により」中止すると説明されています。
チケットはまだ販売前だったため、払い戻しなどは発生していません。
一方、すでに製造が進んでいるツアーグッズについては、上海以外の公演でも「上海公演の日程が記載されたグッズ」がそのまま販売される予定です。
ここまで準備が進んでいたことを考えると、かなり早い段階から中止を前提にしていたわけではなさそうです。
Vaundyは上海公演中止なのね。
これからの経済事情を考えたら、その辺りでライブするのって他のアーチストももっと考えた方がいいと思う。
いつ有事が発生するか分からないよ💦
— まぁ🙂 (@esora0322) August 26, 2026
では、その「予期せぬ事情」とは何だったのか。
現時点で、Vaundy側から具体的な中止理由は明らかにされていません。
そのため、「日中関係が原因だった」と断定することはできません。
ただし、共同通信などでは、日中関係悪化の影響ではないかとの見方が報じられています。
その背景にあるのが、2025年11月以降に続いている日本人アーティストの中国公演中止です。
上海公演中止、
予想の範囲かもだけど
現地の方や遠征予定だったVAWSの
落胆を考えると…
政治や国同士の事情なのかもしれないが、
音楽を楽しみたい気持ちに国境は
ないはずなのに…
あの日「借りは返す!」
と言ってくれたVaundy
いつか絶対リベンジしてくれると
信じて📮 https://t.co/EcqKbuVM3u— べーさん (@ultra_ad_vaws) August 26, 2026
今回だけを見れば、理由は不明。
しかし少し視野を広げると、「また上海なのか」と感じるだけの流れが、すでにできていたわけです。
日本人アーティストの中止はいつから続いている?
中国で日本人アーティストの公演中止が目立つようになったのは、2025年11月中旬から下旬ごろ です。
同年11月7日、高市早苗首相が衆院予算委員会で、台湾有事について「存立危機事態になりうる」と答弁。
中国側がこれに強く反発し、日中関係が急速に悪化したと報じられました。
その後、中国で予定されていた日本人アーティストのライブやイベントに、中止や延期が相次ぎます。
浜崎あゆみの上海公演をはじめ、ゆず、JO1、SIDなどの公演やイベントにも影響が出ました。
浜崎あゆみ (Ayumi Hamasaki)
ステージを組み終えたばかりの公演の前日に要請を受け上海公演が中止となりました。
現地の方々の心情に寄り添う為、不眠不休で準備してくれたAyu、全ての人達に感謝を。 pic.twitter.com/GydWwIndw0— 浜崎あゆみ ファンサイト Ayumi Hamasaki FAN SITE (@2030_TeamAyu) November 28, 2025
大槻マキの場合は、上海での公演が途中で中断されるという異例の事態も起きています。
CNNが2025年12月時点で主催者発表などをもとにまとめたところでは、中国の主要都市で公演や交流イベントが中止になった日本人アーティストは30組以上と報じられています。
ここまで続けば、偶然が重なっただけとは受け取りにくくなります。
とはいえ、中国政府が「日本人アーティストの公演は禁止」と全面的な禁止令を公表したわけでもありません。
ここが、少しややこしいところです。
公式発表では「不可抗力」「予期せぬ事情」といった表現にとどまるケースがあり、個々の中止理由がすべて明確になっているわけではありません。
つまり、公演できないと正式に決まっているわけではないのに、実際には中止が続く。
主催者にとってもファンにとっても、かなり先を読みづらい状況です。
そして、この曖昧さが「それなら、なぜVaundyは最初から上海を外さなかったの?」という疑問にもつながります。
それでもVaundyが上海公演を組んだ理由
ここで時系列を見ると、事情が少し見えてきます。
「Vaundy ASIA ARENA TOUR 2026 “HORO”」が正式発表されたのは、2026年2月15日の東京ドーム公演でした。
日本人アーティストの中国公演中止が相次ぎ始めた2025年11月より後です。
これだけを見ると、
「その時点で危ないと分かっていたのでは?」
と思うところでしょう。
ただ、アリーナクラスの海外ツアーは、発表してから会場を押さえるわけではありません。
会場の確保、現地プロモーターとの調整、スタッフの手配、機材輸送など、さまざまな準備が必要になります。
そのため、2026年2月にツアーが発表された時点では、上海公演の計画そのものはもっと前から進んでいた可能性があります。
️❤️🔥THANK YOU SOLD OUT!!❤️🔥
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄自身初のアジアアリーナツアー
Vaundy ASIA ARENA TOUR 2026 “HORO”
全公演チケット完売‼️🎫
ありがとうございます!
日本のみなさま、海外のみなさま
ご来場お待ちしております🤝#Vaundy#VaundyAsiaTour #Vaundy_HORO pic.twitter.com/F0dgvWxln9— Vaundy_ART Work Studio (@Vaundy_AWS) August 26, 2026
そして、もう一つ大きいのが、中国側から日本人アーティストに対する「全面禁止」が明示されていなかったことです。
中止が相次いでいるとはいえ、未来の公演まで必ず開催できないと決まっていたわけではありません。
11月の上海公演までは、発表時点から約9カ月。
その間に状況が変わる可能性へ期待する判断があったとしても、不思議ではないでしょう。
実際、Vaundyの上海公演はチケット発売前まで準備が進められていました。
「開催できないと決まっている場所に無理やり公演を入れた」というより、開催できる可能性を残したまま準備を進めていた。
そう見るほうが自然です。
それでも結果だけを見れば、上海公演は中止になりました。
ファンからすれば「だったら最初から外しておけば……」と思うのも無理はありません。
ただ、ツアーを計画する側からすると、中国を簡単に外せない事情もあります。
中国を外せないほど大きいアジア市場の事情
Vaundyの今回のツアーは、もともとアジア6都市・11公演という規模で計画されていました。
上海のほか、千葉、ソウル、香港、北九州、台北を回ります。
上海公演の中止によって、実質的には5都市での開催となりました。
ここで見えてくるのが、Vaundyにとって今回が単なる海外ライブではなく、初のアジアアリーナツアーだったという点です。
アジアで本格的に活動を広げようとするアーティストにとって、中国は簡単に無視できる市場ではありません。
特に上海は大都市で、日本の音楽やエンタメに触れているファンもいるため、アジア展開を考えれば公演候補に入るのは不自然ではないでしょう。
ソウル、香港、台北を回るのに、上海だけ最初から候補から外す。
政治情勢だけを考えれば安全策ですが、アーティストの海外展開という視点では、大きな市場へ挑戦する機会そのものを手放すことにもなります。
だから難しいのです。
今回の上海公演をめぐっては、「危ないと分かっていたのになぜ予定したのか」という疑問が残ります。
ただ実際には、中止のリスクがあることと、開催できる可能性がゼロであることは同じではありません。
ツアーは何カ月も前から動く。
中国側から全面的な禁止が明示されているわけでもない。
そして、その先には無視できない規模の市場と、現地で待っているファンがいます。
そう考えると、上海公演を残した判断にも筋は通ります。
むしろ今回の中止が浮き彫りにしたのは、日本人アーティストが中国で活動するとき、音楽そのものとは別の事情まで背負わなければならない現実なのかもしれません。
ステージもグッズも準備して、ファンも待っている。
それでも最後まで「本当に開催できるのか」が読めない。
上海公演の日付だけが残ったツアーグッズは、そんな難しさを妙に象徴しているようにも見えます。