
「なんであの判定がストライクになるの?」
プロ野球ファンなら、一度はそう感じたことがあるかもしれません。
最近、特に名前が挙がりやすいのが、審判・白井一行さん。
判定だけでなく、その態度やリアクションでも何かと注目されてきました。
では、なぜ白井球審だけがこんなにも“目の敵”にされるのでしょうか?
そして、批判の声が多い中でなぜクビにならないのか、気になりませんか?
この記事では、そんな「白井球審=誤審多すぎ」説の実態と、
そこに隠されたNPBの構造や背景を、5つの観点から深掘りしていきます!
目次
白井球審は本当に誤審が多い?
2025年9月26日、阪神対中日戦での森下翔太との判定騒動を機に、こうした投稿がX(旧Twitter)で大量に流れました。
【阪神】森下翔太が白井一行球審と一触即発 判定不服であわや距離詰める2人をコーチが仲裁…
pic.twitter.com/aDT0FBXqdJ— ちょけまる。🟣 (@ahsnoopyninari6) September 26, 2025
ただ、このタイミングで湧き上がるのは「誤審」そのものへの怒りというより、
「白井一行だから叩かれる」という構図の再燃です。
では、白井球審は本当に他の審判より誤審が多いのでしょうか?
「誤審が多い」と言われる背景
NPBには公式な「誤審リスト」や判定の精度データはなく、審判の評価は基本的に非公開です。
そのため、「白井=誤審が多い」と断定できる客観的な証拠は存在しません。
ただし、ネット上では
- 「白井の誤審が試合を壊す」
- 「ストライクゾーンがガバガバ」
といった声が非常に目立ちます。
とくに話題になったのが、2022年4月24日、佐々木朗希投手(ロッテ)との一件です。
白井は凄い
佐々木朗希が不服そうな態度をしたら、詰め寄るだけのことはあるよインパクト時の凝視といい、それだけ白井は球審としてプライドがあるということpic.twitter.com/9vjAEn0Iup https://t.co/BjedVe3Vem
— mino3 (@mino_3_) August 10, 2025
ボール判定に不満を示した佐々木に対し、白井球審がマウンドへ詰め寄り、選手を威嚇するような態度に。
この瞬間から「白井=パワハラ+誤審」というネガティブイメージが一気に拡散しました。
白井球審の誤審とされる主な騒動
以下は、過去に誤審疑惑として話題になった事例です。
- 2022年4月:佐々木朗希へ詰め寄り炎上(ロッテvsオリックス)
- 2022年5月:レアード退場事件(ロッテvsオリックス)
- 2024年3月:オリックス・宜保と接触(オープン戦)
- 2024年6月:危険球退場騒動(東晃平の直球がヘルメット直撃)
- 2025年5月:木下拓哉捕手と接触し白井が負傷(試合詳細不明)
- 2025年9月:森下翔太への内角低めストライク判定(阪神vs中日)
このように、“誤審疑惑”として注目されたケースは年に数件程度に留まります。
2025年に関しては、現時点で森下翔太の件のみが報道事例です。
ミーム化と感情的反応の拡散
白井球審といえば、あの甲高いストライクコール「アィィィィ〜ッ!」。
SNSではこれが完全にネタ化しており、試合前から「今日は白井だから荒れそう」などの投稿が飛び交います。
5chでは「えー、球審の白井です(半ギレ)」というテンプレが広まり、Pixiv百科事典では“誤審王”とまで揶揄される始末。
つまり、白井球審は技術的な誤審というより、“イメージによる炎上”が多い審判なのです。
こういう記事きらいだわぁ。どうせ白井だから喧嘩腰だったんだろみたいな印象操作。実際の映像見たらわかるけど笑っとるわ。
【阪神】森下翔太が白井一行球審と一触即発 判定不服であわや 距離詰める2人をコーチが仲裁(日刊スポーツ)https://t.co/prLbnrduL3 pic.twitter.com/W6Av7DppfL
— サブ垢 (@44r2wsp) September 26, 2025


実際、多くのファンは「なんであれがストライク?」「あの退場はおかしい」と感じています。
Yahoo!知恵袋やXの投稿では、
- 「ストライクゾーンが日によって違う」
- 「抗議にすぐキレるから萎える」
- 「見ていて不快」
といった感情的な不満が多数見られます。
一方で、「リクエストでの判定覆り率は低い=技術は高い」という擁護意見もありますが、
SNS上では批判が多い印象です。
白井球審が“誤審が多い”とされる背景には、目立つ態度と過去の騒動、そしてネットの記憶の蓄積があります。
過去に不適切な対応があったことは事実ですが、データ上、他の審判と比較して明確に誤審が多いとは言えません。
にもかかわらず、炎上が続くのは「感情」が「事実」を上書きしている証拠とも言えそうです。
クビにならない理由5選
白井球審に対して「誤審が多い」「態度が悪い」と批判が出るたびに、
こんな疑問が浮かびます。
「これだけ騒がれているのに、なぜクビにならないのか?」
実はそこには、NPB独自の事情や、プロ野球ならではの構造的な理由が存在します。
ここでは、5つの観点からその理由を探っていきましょう。
①【審判は“簡単にクビにできない”職業】
NPBの審判は、プロ野球選手と異なり、いわば「準公務員的」な立場です。
短期的な成績やミスによって、すぐに解雇されるような仕組みではありません。
長年にわたって研修・経験を積み、
特定の評価制度に基づいて契約が更新されていくスタイルが取られています。
白井球審も2002年から一軍で活動しているベテラン。
20年以上のキャリアは、NPB内でも非常に長い部類です。
②【審判の処分は原則として非公開】
NPBでは、審判の誤審に対する公式な処分は原則として公表されません。
たとえミスがあったとしても、
内部で口頭注意や研修指導が行われたとしても、
その情報がファンや報道に出ることはほとんどないのです。
過去の佐々木朗希事件やレアード退場事件でも、
「処分があった」という明確な発表は確認されていません。
そのため、ファンの視点から見ると
「何も起きてないように見える」=「許されている」と感じてしまうのです。
③【人手不足と育成の難しさ】
プロ野球の審判は、簡単になれる職業ではありません。
長年のトレーニング、厳しい体力と集中力、さらには瞬間的な判断力が求められます。
そのため、若手の審判がすぐに一軍で活躍するのは難しく、
審判全体が“高齢化”しているのが現実です。
もし白井球審のようなベテランを簡単にクビにしてしまえば、
現場がまわらなくなる可能性もあるのです。
④【審判の評価制度が“見えない”】
審判の判定精度やパフォーマンスは、NPB内部で評価されているとされています。
ですが、その基準や内容は一切公表されていません。
選手のように「打率」や「防御率」といった客観的な数字が出るわけでもなく、
誤審の回数やリクエストの覆り率などの“見える指標”も公開されていないのが現状です。
だからこそファンとしては、
「なぜこの審判が今も試合を裁いているのか?」という納得感を得られないわけです。
⑤【白井球審には“大舞台”の実績もある】
実は白井球審、ただの問題児というわけではありません。
日本シリーズやオールスターといった大舞台での審判経験も豊富です。
NPB内部ではそのキャリアを“一定の実績”として評価されている可能性があります。
もちろん、ファンにとっては「だから許されるの?」というモヤモヤも残ります。
ですが、NPBにとっては“替えの利かない存在”であるのかもしれません。
ここまで見てきた通り、白井球審がクビにならない背景には、
単なる「審判の甘え」ではなく、NPBの制度や人材事情といった複雑な要因が絡んでいます。
裏を返せば、この構造が変わらない限り、
同じような炎上や不満はこれからも繰り返されるのかもしれません。
NPBの闇と審判制度の裏側とは
白井球審が批判され続ける一方で、
NPBはなぜ本格的な制度改革に踏み出さないのでしょうか?
そこには、プロ野球界の“変わりにくさ”や“見えにくさ”が影を落としています。
ここでは、あまり語られない審判制度の裏側を掘り下げます。
①【処分はされていても“見えない”】
NPBでは、選手や監督に対する処分は時に公表されますが、
審判への処分は原則として非公開です。
そのため、「白井球審は処分されない」と思われがちですが、
実際は内部で注意や研修などが行われている可能性もあります。
ただ、それが公に伝わらない限り、
ファンから見れば“何も対応していない”ように映るのです。
②【リクエスト制度の限界】
現在のプロ野球にはリクエスト制度(リプレー検証)があります。
しかし、適用されるのは「塁審の判定」や「フェア/ファウル」など一部に限られています。
問題となることが多いストライク・ボールの判定は対象外です。
つまり、一番炎上しやすいゾーンには手が届かないという現実があります。
③【ABS(自動判定システム)の遅れ】
MLBでは既にABS(自動ストライク判定システム)の導入が進んでいます。
一部のマイナーリーグでは完全導入済みで、選手と審判の摩擦が大きく減りました。
対してNPBは、技術的・予算的な問題を理由に導入が遅れている状況です。
「人の目で判断する美学」もあるかもしれませんが、
誤審による炎上リスクを減らすためには、そろそろ限界なのかもしれません。
④【ファンの声が届きにくい構造】
NPBとファンの間には、まだまだ距離があります。
選手起用や監督采配についてはすぐに議論になりますが、
審判制度や判定ミスに関する議論は、表に出づらい傾向があります。
また、NPBが透明性の高い審判評価制度や説明責任の仕組みを整備していないことも、
白井球審のような炎上が繰り返される原因となっています。
結局のところ、問題の本質は白井球審その人ではないのかもしれません。
むしろ、彼の事例を通じて明らかになったNPBの制度そのものにこそ、メスを入れるべきなのです。
今後、ABSの導入や判定基準の可視化など、
ファンの信頼を取り戻すための取り組みが求められるでしょう。
「白井だから」ではなく、「NPBとしてどうあるべきか」
──それが、今問われているのかもしれません。
まとめ
白井球審の名前が出るたびに、
「またか」と思う人も多いかもしれません。
実際、これまで何度も騒動や誤審疑惑が報じられてきました。
判定に不満を示した選手。
怒りを爆発させた監督。
SNSにあふれるファンの声。
でも、それは本当に白井一人の問題なのでしょうか?
審判制度の非公開性。
処分の見えにくさ。
ABS導入の遅れや、リクエスト制度の限界。
そのすべてが重なって、
「なぜ改善されないのか?」というモヤモヤを生んでいるのです。
白井球審をきっかけに、今、私たちは問うべきかもしれません。
審判の在り方、NPBの姿勢、そしてプロ野球というスポーツの未来を。
白井がまた炎上する日が来るのか。
それとも、これが変化の入り口になるのか。
──注目すべきは、グラウンドの“外”にあるのかもしれません。
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